Cantigas de Santa Maria | 聖母マリアのカンティガス
Anthonello / 演奏 アントネッロ





medieval.org
Anthonello Mode AOME 10001
2006






01: 序「詩を作り歌うとは」
Porque trobar  [7:04]   Prologo

02: 第1番「詩を作り歌います」
Des oge mais quer'eu trobar  [4:51]   CSM 1

03: 第10番「薔薇の中の薔薇」
Rosa das rosas  [6:02]   CSM 10

04: 第15番「すべての聖人たち」
Todo-los Santos  [4:14]   CSM 15

05: 第139番「驚くような,慈悲にあふれ」
Maravillosos e piadosos  [5:29]   CSM 139

06: 第384番「その大変な美しさゆえに」
A que por muy gran fremosura  [4:50]   CSM 384

07: 第167番「聖処女を信頼する者は誰でも」
Quen quer que na Virgen fia  [3:38]   CSM 167

08: 第100番「聖母マリア,夜明けの星よ」
Santa Maria, strela do dia  [5:37]   CSM 100

09: 第166番「人々の体は罪によって」
Como poden per sas culpas  [4:06]   CSM 166

10: 第60番「アヴェとエヴァの間には」
Entre Av'e Eva  [3:13]   CSM 60

11: 第26番「驚くには値しません」
Non é gran cousa  [3:23]   CSM 261

12: 第422番「神の母よ」
Madre de Deus  [3:53]   CSM 422

13: 第37番「美しく驚くべき奇蹟を」~第159番「聖母マリアは許しません」
CSM 37 Miragres fremosos | CSM 159 Non sofre Santa Maria  [3:54]

14:エスタンピー(インストゥルメンタル)
Estampie  [2:28]

15: 第425番「喜びよ,喜びよ」
Alegria, alegria  [3:51]   CSM 425






Anthonello
Yoshimichi Hamada

Yoshimichi Hamada — recorder, cornett, shawn, slide trumpet, double flute, bladder pipe
Kaori Ishikawa — fiddle
Marie Nishiyama — voice, harp, organetto, castanets
Yasuto Kasuga — voice, flute
Naomi Hanai — voice
Erika Fujisawa — voice, dulcimer, percussion
Yayoi Okaniwa — voice, percussion
Kaoru Yano — organetto, psaltery
Takashi Nakamura — slide trumpet, cornett
Mitsuhiro Wada — percussion
Rafael Bonavita — narration en Prologo


『聖母マリアのカンティガス』が700
年の時を経て、遠く極東の地で、文字通
りの驚異の演奏で蘇ろうとは、編纂者の
アルフォンソ賢王も夢の果てにも想像だ
にしなかっただろう。しかし日本が世界
に誇るべき最先端のr:与楽グループによっ
て東方の奇蹟は現実に起こされたのだ。
2006年6月2日、東京カテドラル聖マ
リア大聖堂での月白バ・ロック音楽祭の
オープニング・コンサートで満場の観客
を前にアントネッロが繰り広げたのは、
これまで誰も聞いた事のない、恐ろしく
斬新な『カンティガス』であった。超絶
的な技巧のコルネットやリコーダー、ハ
ープ、フィーデル、パーカッション、ス
ライド・トランペットなど全ての楽器と
超個性的な素晴らしい歌手たちが、聖母
を讃えて歓喜の抱時を上げ、避るロック
的な激情とゴスペル的な宗教的陶酔感、
そして身体を突き動かす躍動感…大抵の
音楽には慣れてしまったはずの21世紀
の聞き手の身も,しもまるごと奪ってしま
ったのだった。本CDはそのパフォーマ
ンスをそのままスタジオ録音したもので
ある。
文化・芸術を重んじた「賢王、学者王」
のスペイン王アルフォンソ10世(1221
一1284)は、その生涯に最も尽力した仕
事のーつとして聖母マリアへの讃歌と聖
母の奇蹟の物語を伝える40()以上のガリ
シア語の歌曲を集大成した『聖母マリア
のカンティガス』を監督して編纂した。
王は監督だけでなく自らも編纂に手を下
し、更には一部の曲は自らの手で書いた
と言われている。なお物語の歌と言って
も、例えばブリテン諸島の伝統バラッド
のように物語の展開や結未を楽しむもの
というより、宗教的な敬愛の念を表明し
た歌詞を繰り返す歌が多いようで、(この
演奏でもそうであるが)今日の実際の演
奏では歌詞の一部だけを歌う事が多い。
さてこの『カンティガス』に収められた
歌の音楽(旋律)には当時の教会音楽は
もとより世俗音楽、つまり俗謡やダンス・
ミュージックも含まれていると言われて
おり、結果としてこれは中世の単旋律歌
曲、更には中世音楽の一大コレクション
となっているのだ。それゆえに現代では
世界の古楽演奏家達の重要なレパートリ
ーの一・つとなっており、たとえばグレゴ
リオとエドウアルドのパニアグア兄弟の
それぞれによる録音など以前から広く知
られた名演もあった。そうしたカンティ
ガ演奏の歴史の上でアントネッロは前任
未踏の地平に踏み込んだのだった。
アントネッロは、主宰者であるコルネ
ット&リコーダー奏者の潰田芳通と、ヴ
ィオラ・ダ・ガンバ奏者の石川かおり、
チェンバロ&ハープ奏者の西山まりえの
'3人の形が基本編成のグループである。
この中,しメンバーの3人は強い紳に結ば
れているが、その一方で決して固定した

編成の器楽アンサンブルといった形での
活動ではなく、各国の中世、ルネサンス、
バロック音楽を幅広く取り上げるその広
大なレパートリーに応じて、さまざまな
器楽奏者や歌手達を迎えて、自在に編成
を拡大している。アントネッロの音楽は、
まず中,しの3人によるスリリングな器楽
演奏だけでも他に類を見ないもので聴く
度に新たな発見をさせてくれるが、更に
しばしば行われる拡大編成による特定の
テーマの企画コンサートでは、文宇通り
未知の音楽体験をさせてくれた。思いつ
くままに挙げてみても、『天正の少年使
節が聴いた音楽』、『王侯貴族の為の'fル
ネサンスな忘年会n 』(ルネサンス期のド
イツの宴会小唄特集)、『ルネサンスの祝
祭』(パントマイム付き)、『シエイクスピ
アからワールドランゲージへ』、ラ・ヴォ
ーチェ・オルフィカとの共演による『聖
母マリアのタべの祈り』(これはCDにも
なっている)や『エンサラーダス』、『モ
ンセラートの朱い本』、そしてニコラウ・
デ・フィゲイレドとの共演による『ラス・
フォリアス~フランシスコ・ザビエル時
代のスペイン音楽』…などなど枚挙に暇
がない。本CDの『聖母マリアのカンテ
ィガス』はまさにこうしたものの・つで
ある。歌手、演奏者とも個性派の実力者
揃いで、またアントネッロの音楽に共感
して過去に幾度となく共演をしてきたフ
ァミリー的なアーティストばかりであり、
それもこの素晴らしい演奏の背景となっ
ているに違いない。
さて、冒頭にも記したように、これは
ロック的であり、ゴスペル的、更にはポ
ップ的などとも形容出来る今日的で熱い
演奏である。今日的と言っても単に歴史
的な作品に現代的な脚色を施したような
空虚な演奏とは凡そ正反対であるのは、
一言で言えば作品に対する深い共感と確
かなヴィジョンに貫かれているからであ
ろう。単に楽譜や資料から音楽を再現す
るのではなく、作品の「時代風景」まで
もを演奏に取り込み、作品の真の姿・真
の力を今口の聴衆の前で演じ出そうとす
る事は、私見では古楽の最新の潮流と言
っていいのではないかと思うが、それを
実現するには、気が遠くなるような想像
力と創造力が必要だろう。例えばョーロ
ッパの中世を生きる人々にとっては、教
会のステンドグラスは、今Hで言えば恐
らくはサイケデリックなまでに刺激的な
光景に感じられた事だろう。その人々が
聴き、受けたであろう感動や衝撃を今日
の聴衆に伝えるという事は…。かねてか
ら「(今日の)クラシック音楽だけが占楽
の子孫ではない」というヴィジョンで従
来の古楽の殻を突き破ってきた?賓田とア
ントネッロにしか出来ない、この命題へ
の大胆な回答がこの演奏である。更に付
け加えれば、地声の歌唱をはじめとする、
この演奏の強い民族音楽的な要素は、キ

リスト教徒はもとよりイスラム教徒やユ
ダヤ教徒も同居し中東文化も色濃かった
当時のスペインの光景を目前に浮かび上
がらせてくれる。とはいえ、結果として
素晴らしくヴィヴィドな今日の音楽にな
っているだけに、この音楽を楽しむのに
理屈は不要である。これは何の前提知識
なしに聴いてもポップでダンサブルな音
楽としても楽しめるという驚くべき古楽
演奏なのだ。その上、筆者のようなョー
ロッパのトラッド音楽を愛好する者にと
っては、この演奏は例えばガリシアの国
民的なグループのミジャドイロの最良の
作品に勝るとも劣らないような最高のプ
ログレッシブ・トラッド古楽としても聴
けるのである。考えてみれば、すでにモ
ンテヴェルディの宗教曲(『聖母マリアの
タべの祈り』)をラ・ヴォーチェ・オルフ
ィカと共にまるでゴスペルのような熱い
演唱で聴かせてくれたアントネッロのこ
と、カンティガスをどのように演じても
不思議ではないかも知れないが、しかし
ここまでの演奏と歌唱は誰が想像し得た
だろうか。
魂を揺さぶられるこのCDによって、
演田とアントネッロのような比類の無い
アーティストと同時代に生きるという喜
びを、更に多くの方と共有出来るように
なる事を心から願うばかりである。
白石和良






[Instruments]
Fiddle — Richard Earl
Harp — Rainer Thurau
Psaltery — Lynne Lewandowski
Dulcimer — Paul Baker
Organetto — MaNa Orgelbau
Recorder / Double flute — Bob Marvin / Yuzuru Fukushima
Flute — Giovanni Tardino / FoIkers & Powell
Cornett — Takahiro Kuwahara
Shawm — Bernhard Schermer / John Hanchett
Slide trumpet — Rainer Eger / Jan Geert van der Heide
[Pitch] A=469
[Temperament] Pythagorian

DDD 24bit/96KHz ProTools HD Recording System
Recorded at the King Sekiguchidai Studio, Tokyo, Japan, from 3-4 October 2006

Recording Director: Ryo Shimada
Recording Engineers: Shinli Yoshikoshi (King Sekiguchidai Studio), Tomohiko Shimoda
Editing Engineer: Noriaki lshii (ST & P)

Cover Design: Akira Saso
Liner Note: Kazuvoshi Shiraishi
Translation:Takeshi Matsumura
Photo: Naoko Nagasawa
Booklet Editor: Ryo Shimada

Producers: Yoshimichi Hamada, Ryo Shimada
Special Thanks: King International I nc.

© & Ⓟ 2006 Office ENZO Inc. "Anthonello Mode"








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